ボイドの改善方法

ボイドとは製品内部に発生する泡を指します。内部であることから透明樹脂以外は外観上全くボイドの存在は解りません。そのため見落としがちな不良ですが、強度面では不安定要素となります。特に圧縮力に対してボイドは強度低下が顕著に現れます。ボイドが発生する原因は2種類あります。

  • 1-1
    射出された材料内に空気が既に入っている場合
  • 1-2
    真空ボイドといって内部応力が減圧になり出来る場合

 

1-1の場合は2種類の原因があり、成形条件・金型の修正等で改善されます。

  • 2-1
    樹脂が可塑化している時に混入する空気と可塑化している時に発生するガス、水蒸気など
    成形条件の調整で改善いたします。
  • 2-2
    スプール、ランナー、キャビ内に射出した時に巻き込む空気
    成形条件の調整で直す事は限定的で、金型の改修が効果的です。
    (シルバーストリークの改善工法を参考に出来ます)

 

1-2の場合は原因は1種類で、この解決策は製品設計の見直し、成形条件の調整で行われます。

  • 3-1
    樹脂が固化する段階で体積の収縮が起きます。樹脂に限らず液体が固体になる時に起こる現象です。
    その収縮で限界を超えた負圧となった時に発生します。
    問題となるものは、真空ボイドの発生する場所の特定が出来ないことです。
    最初の要因は1-1の要因がキッカケとなっています、そこから圧力損失の大きな部分に広がっていきます。

 

ここでは3-1の真空ボイドの不良対策について説明いたします。

<成形条件での改善>

射出成形において型内に樹脂を射出する行為で充填された樹脂の内圧を高める必要があります。内圧を高める事で、樹脂の収縮分の体積を補っていればボイドは発生しない事になります。しかし、むやみに射出圧力を高くしますとパーティングが開きバリの原因となりますし、樹脂の圧力を高めてもそれほど多くの体積の樹脂を余分に充填する事が出来ません。特に収縮率の大きな樹脂の場合は真空ボイドの発生する可能性が高くなるのはこの理由からです。

<製品設計での改善>

製品設計で真空ボイドを抑えるためには製品の肉厚を薄くする方法につきます。そこで心配になるのが製品の強度ですが、補強リブなどで対処することになります。しかし補強リブの付け方によっては薄肉部にボイドが発生することがあります。また、肉を薄くすることでゲートより遠い部位に加わる充填圧力の低下も懸念点です。金型や成形技術をプラスした製品設計技術が不可欠となります。 当社ではこの様なことでお困りの場合、設計チューニングと称して製品設計の最適化を行っております。

<IMP工法による改善方法>

IMP工法・IMM工法の特徴として、必要な箇所に必要な圧縮をかけられる事が出来ます。真空ボイドの解消にはこの方法により圧力の足らない箇所に圧縮をかけ、改善する事が出来、偏肉厚での製品設計も行え、補強リブにする必要がなくなります。

IMP工法のコンセプト「強度の必要な箇所に必要な肉厚を」を可能とする工法といえます。

 


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