バリの改善方法

バリの発生原因は金型における駒の隙間やパーティングラインの隙間に溶融樹脂が流れ込むことで発生する。最近の金属加工の精度は非常に向上しているために、駒の隙間やパーティングラインの隙間は非常に微細となっている。

その意味では射出成形条件を最適化することで、多くのバリは解決すると言ってよい。

バリが問題となる場合は過度な射出圧力や射出速度が必要な場合に起こりやすい。

例えば、ヒケを抑えるために高い射出圧力を加えることで、駒が歪んでしまったり、パーティングラインが開いたりすると、当然バリが発生する。大きな製品を出来るだけ小さな成形機で成形する場合などはパーティングが開きやすいので注意が必要です。

駒の歪みに関しては、駒やダイセットの強度を高める方法を取るが、駒の形状は製品形状に依存する傾向にある。このような場合は分割駒を集約して大きな駒にする方法などが考えられる。

バリのメカニズムを考えると、溶融樹脂が高速・高圧で駒の隙間に刺さるためであるが、溶融樹脂の粘度が低い状況などはより一層バリが出易くなる。溶融樹脂が金型表面に接し、急激な温度低下により粘度が上昇したり固化が進む類の樹脂の場合はバリが出にくくなる。このことをイメージして成形条件を設定するとよい。

成形条件の難しさは対処する成形条件の方向が真逆になることである。例えばヒケを抑える/バリを抑えるといった2種類の対策の場合、ヒケを抑えるには射出圧力を高める必要があるが、バリを抑えるには射出圧力を低く設定する必要がある。このように相反する対策をうまく融合させることが成形条件出しには存在する。

 

<製品設計>

バリを発生させないための製品設計は射出圧力を出来る限り低圧で成形できるように工夫することである。均一肉厚を基本に、極端に厚い部位や薄い部位を作らないことに尽きる。

薄い肉厚部を充填させるために射出速度を上げ、射出圧力を高めるとパーティングラインが開く等の問題に直面する。

各種樹脂材料には最適な肉厚がある。

 

<IMP工法/IMM工法による改善方法>

本工法の利点の一つに、保圧工程を本工法が担うことが出来ることである。一般的にはランナーのゲートがシール(固化)する前まで射出成型機側から保圧を加えることが出来るが、本工法はゲートシール後でも保圧を掛けることが出来る。よって、射出工程を簡素化させることが出来ることで上記で説明した相反する成形条件を避けられる。このことで通常の射出成形による品質レベルの限界点を超える品質を実現することが出来ます。


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