真空ボイドのメカニズム
真空ボイドとは溶融樹脂が固化する段階で体積収縮が発生し、固化が製品表面より進行することで製品肉厚中心部に発生する気泡です。気泡といっても真空状態のもので、透明樹脂でない限り肉眼ではボイドの存在は解り図らいといえます。
当社ではX線CTにより内部欠陥を観察できる測定器を設備し、安定的にボイドの無い製品を製造しています。
ボイドはその性格より、強度低下を招きます。特に圧縮力に対しては非常に弱く、続いて引張り力であり、曲げ力にはそれほど影響しないようです。
しかし、樹脂製品に繰り返し応力が加わるような製品の場合、脆性破壊を招く危険因子となるため、出来るだけ制御したい不良です。
特にボイドの発生場所は特定できないことから、強度を必要とする製品ではしっかりとした管理が必要です。
プラスチック製品におけるボイド制御は充填圧力を高めることにつきますが、不均一な充填圧力はゲート部に残留応力を招き、こちらの原因で強度低下を招く危険もあり、高度な成形技術を必要とします。